食の安全…我が家の場合

 セシウム汚染の牛肉が市場に出てすでに消費されてしまっていた、というニュース。この事件そのものについては、よくわからない情報が錯綜しているし考えることが多すぎてまだちゃんとは書けない。もうちょっと調べながら様子をみようと思っている。

 ただ、現行のモニタリングだけでは「食の安全」が確保できなかった、ということだけは事実が証明してしまった。もちろん、ゼロリスクはありえないことは前提なのだけれど、「緊急時の暫定基準値」をはるかに超えた牛肉が流通し、消費者が食べるところまで行ってしまったわけだから。失われた「信頼」を取り戻すのは至難の業だろうと思う。もちろんノーリスクというわけにはいかないけれど、それなりに安全に食べることができる食品も含めて売れなくなることで生産者がダメージを受け、廃業していくようになってしまったらその損失ははかりしれない。

 房総出身で関東からでたことがなくて東京・多摩地域に住んでいる私としては、関東産の農水畜産物が特売価格で売っていると、家計としては助かると思いつつ、やっぱり悲しい。この店頭に並ぶ前の段階ですでに値崩れしているのだろうと思うから。デパ地下の八百屋さんで、ほとんど同量の小松菜が、関東産だと1把100円、西日本産だと250円だったりするのを見ると悲しくなる。

 私は、3月中旬以降、福島県や関東地方の自治体のHP、水産庁厚労省のHPなどで公開されている水道水や食品の放射性物質モニタリング数値の表を見るのを日課にしている。モニタリングの数値が「自分基準」で納得いくものだったら、関東産の農産物・海産物をひいきにする。福島県産の農産物も品目を選んで購入する。モニタリングしていない地域のものは大丈夫なのか、とか、輸入野菜の残留農薬は大丈夫なのか、とか、心配ごとはつきないわけだから、同じことなら国産品、それも自分の郷土や親しみのある地域のものを食べようと思うくらいには「愛国的」なのである。
 でも、ちょっとだけビクビクしながら買うわけだし、輸入野菜や西日本産も当然買う。いろいろ混ぜて食べたらいいんだと思っている。以前よりも丁寧に野菜を洗ったり、残念だけど野菜をゆでたあとのゆで汁をスープに使うことをやめたり、煮物のあくを以前より丁寧にとったり、肉や魚の下ごしらえをするときに塩を直接もみこむのではなくて塩水につけたり…一応、もとの食材の栄養を損なわない程度に気休め程度の自己防衛をする。その生活スタイルはこれからも変えないと思う。
野菜をよく洗うのも、疲れているとさぼるし、もっと疲れている日は外食とか中食になる。で、そういうときは「安全性」はあまり気にしない。気にしていられない、というほうが正確かもしれない。ほどほどに、無理なく、でも、しつこく続けていこうと思っている。
こういう適当な「自己防衛」は科学的にはあんまり意味ないかもしれない。でも、自分がはたらきかけることができる何かがある、というのは、私には精神衛生上必要。

 先日は福島県産のサクランボ「サトウニシキ」が3パック500円で売っていて、例年はサトウニシキなんてシーズン中2,3回、それもほんのちょっとだけ食べるだけで我慢しているわけで、喜んで買ってきてつれあいともども堪能した。水を変えて3回洗ったし高校生の娘はちょっと用心して少しだけしか食べなかったけど…
 その後、「山形県産のサトウニシキ」も同じように3パック500円で売っていて、それもおいしくいただいたのだけれど喜んでばかりはいられない。生産者の皆さんはこの難局を乗りこえられるんだろか、ということが気になる。


※書きかけを間違ってupしてしまったので、一部削除の上、夜、帰宅してからあらためて続きとして、武田邦彦先生への苦言を書きます。武田先生の生活情報を参考にしている人がかなりいらっしゃるので、セシウム汚染牛肉がニュースになってからの記事には問題があると思います。