「ぼくからみると」

福島第一原発事故以来、改めて著書が読み返されている高木仁三郎先生の著作の中に、素敵な絵本があるのをご存じですか?

「ぼくからみると―どきどきしぜん(かがくのとも傑作選)」

 夏休みの昼下がりのひとこま、ひょうたん池のまわりにいる子どもたちと池や野原や空の上のさまざまな生き物たち。田舎育ちのオバサンには自分の子ども時代と重なってくるとても懐かしい風景ですが、その風景が、子どもたち、生き物たちのそれぞれの視点からの風景として描かれていきます。

 ある場所のあるひととき…時間にしたら10分間より短いでしょう…の風景が、その中で生きているさまざまな生き物(人間の子どもを含む)からの「見えた世界」「体験した世界」として切り取られ、テンポよく次々と描かれていきます。その多様な「見えた世界の断片」が、意識していてもしていなくても、かかわりあい折り重なって、一つの世界がなりたっているんですよね。そして、人も魚も虫も小動物も猛禽もそれぞれが生きている。
 

 はてなダイアリにこの絵本を紹介しているブログもありましたのでご紹介します。
2008-02-28

 煮詰まった時、この「なつやすみのひととき」、青い空と緑濃い里山の風景を思い出すとちょっとホッとして、気分を変えてまたがんばろうかな、と思ったりします。
 残念ながらアマゾンでも新本はなく、中古品で5500円が1点でているだけだったのですが、たぶん、図書館の絵本コーナーならおいているのではないかと思います。




 「反原発」でも「脱原発」でも「原発容認」でも、放射能がとても怖い人も、そうでない人も、ニセ科学批判の人も、ニセ科学批判批判の人も、いろいろな人に読んで感じて欲しいです。議論がエキサイトして泥沼化してしまったときにもお勧め。