大野さん、すいません。「主語の取り違え」してました
「5×3≠3×5問題」についてはまだまだお勉強中のよたよたあひるです。
今回のエントリはちょっとかけ算を離れてセクシュアリティ話。
もともと、はてなのブログはフェミぽいことを中心に書きたいなと思って始めたのでしたが・・・(なぜ「かけ算」にはまってしまったのか)
で、本題です。
大野左紀子さんからトラックバックをいただきました。
<男×女>という思い込み - ohnosakiko’s blog
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110128-00000608-reu-int
↑の記事の大野さんのブコメに私が質問をしたことへの解答です。
大野さんの記事中にあるように、私の読み違えでした。
まず、「(気にしろや」を「自分つっこみ」と捉えたということは、その前の文の主語を取り違えていたのではないか。つまり、
>夫も私が目の前で女性と戯れたりキスしたりしてもあまり気にしてなかった
ではなく、>私も夫が目の前で女性と戯れたりキスしたりしてもあまり気にしてなかった
と読み違えたのでは。
は正解です。
誤読による質問でお手をわずらわせて申し訳ありませんでした。
でも、
なぜyotayotaahiruさんはこんな簡単な文章を読み間違えたのだろうか?と考えた。
それは、「夫が(妻の)目の前で女性と戯れたりキスしたり」することはまあ手癖の悪い夫ならありそうだが、「私(妻)が(夫の)目の前で女性と戯れたりキスしたり」することはまずないだろう、という先入観があったからではないか?
これは微妙に違います。前半の
>「夫が(妻の)目の前で女性と戯れたりキスしたり」することはまあ手癖の悪い夫ならありそうだが
がなんだか私の感覚とちょっと違うんですよね。後半の
>「私(妻)が(夫の)目の前で女性と戯れたりキスしたり」することはまずないだろう、という先入観があった
の方は、「結婚」しているの(←ここでは大野さん)はヘテロセクシュアルな女性であり、それを(「事実婚」とはいえ、一応特定のパートナーと家庭を維持している私自身に置き換えてみると、「まずないだろう」という先入観があったことは確実、しかもブコメを書いているときには自覚がなかったですね・・・自覚的にはヘテロセクシュアリティである女性であっても、ふと同性に(「淡い」「濃い」はともかく)セクシュアルな欲望を抱くこともしばし考えてみれば、そりゃありそうなことだ思い至りますし、だいたい、自覚的にバイセクシュアルである女性が男性と一定のパートナーシップを持つことも確かにありますから、そこまで考えることもなく「主語の取り違え」で誤読していたのは、私自身の中に同性愛に対して強固な否認がある、自分とは関係ない話だと思っているということになります。ご指摘ありがとうございます。気がついてよかった。
さて、ここから先は言い訳ですが、前半の
>「夫が(妻の)目の前で女性と戯れたりキスしたり」することはまあ手癖の悪い夫ならありそうだが
が、私の思っていたことと違うということについてちょっと書いてみようと思います。
「夫が(妻の)目の前で女性と戯れたりキスしたり」することは「ありそう」とは、ぱっと見て誤読するくらい思っているわけですが、その「夫」が「手癖の悪い」夫とは限りません。特定の性的パートナーを持ちつつ排他的な性的関係をお互いに強制せず、したがって、男性(夫)、女性(妻)ともに目の前で他の異性といちゃいちゃしていても「気にしない」という関係はありえます。
まぁ一般社会の評価からしたらこの場合は男女ともに「手癖が悪い」のかもしれませんし、法律婚の関係があればなおさら「常識はずれ」になりそうですが、現行憲法下では、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」わけで、パートナー以外の人物*1と性的関係を持つことも「同等の権利」として「合意」していれば問題はないでしょう。
性的関係という身体的にも精神的にも非常にプライベートな関係性の中に、「同等の権利」という言葉が入ってくるのに違和感があれば「お互い様」でもいいんですが、私は、特定の(安心できる親密な)関係性は持っていたいけれど、それが「所有関係である」のは嫌、束縛しあうという形で「所有しあう」のは嫌、性的行動の自己決定はあくまでもそれぞれの個人のうちにある、という立場に自分をおいておきたいです。
ただし、「特定のパートナー以外の性的関係を持つ相手」もまた同じような価値観を持っていないと泥沼になりそうだし、妊娠と性感染症は「子育て」とか「介護」とかを共有しているカップルにとっては生活と関係性維持の危機をまねくことになりますから、パートナー以外の性的関係を持つ相手を選ぶのも、行為に及ぶのも欲望のおもむくままというわけにはいきませんし、実際に子育てに入ってからは、パートナー以外との性関係を欲したことがありませんけれどね。*2
そして、「素で気にしない」はなかなか難しそうだとは思いますから、パートナーの「目の前で」は、私でも避けるだろうと思います。
私はこのような考え方をしているので、大野さんのブコメの主語を取り違えて誤読したあとは、自分の妄想構築のなかで、双方合意の上でパートナー以外の異性とキスや性的なニュアンスを含む身体接触を「お互いに」気にしない関係性をつくってこられたのかなと勘違いしてidコールまでしての質問になってしまったというわけです。
勝手読みほんとうに失礼しました。
もと記事については、翻訳の問題もありますし、だいたいもとになっているテキサス大学オースティン校の研究チームが、どのような目的でどんな質問項目で行った調査なのか、それをロイターがどんな切り取り方をしたのかがわかりません。
調査した側の目的、「浮気」という言葉で何を意味しているのか、対象となった718人の大学生は全員が「交際中」の男女なのか、「交際期間」はどれくらいを「長い」としているのか、意識調査として実施したらしいこの調査と、実際の「浮気経験」についての調査結果の「別れる」と答えた男女それぞれの割合と、「想定した同性との浮気」との回答との間にどんな関係があるのかなど、もっと詳しい話を知りたいところです。
もと記事中に書かれている研究チームの出した結論、「嫉妬の本能に基づいた反応」「男性の場合は男性のライバルが現れると子孫を残す機会を奪われるかもしれないという危機感を持つ」は、ホントカイナ、と思うところ多々あり、
大野さんのエントリ中の、
ヘテロの男にとって恋敵、ライバルは他の男だけで、女はそこに登録されていないのです。女が本気で好きになるのは男だけ、女同士の恋愛なんて男女の恋愛に比べたら大したことない、ちんちん持ってる男の自分が持ってない女に負けるわけない、と思い込んでいるからです。だから「恋人である女性の同性愛については「同時に複数の女性と性的関係を持つチャンス」と考える」。甘いな。
はほぼ同感です。ただ、このもと記事からだけだと根拠がちょっと弱いですけど。
>恋人である女性の同性愛については「同時に複数の女性と性的関係を持つチャンス」と考える
というのは、私が「お互い様」と書いた関係性の持ち方を、許容を「女性の同性愛」の場合に限って適用し、しかも自分が排他的ではない性関係を持つ対象として「複数の女子」を想定するというとても都合のよい考え方ですから。
ところで、追記を読んで思ったのですが、
酔っていて箍がはずれた状態での性的放縦、逸脱行為に見える行動に関しては、しらふのときの行為に対してと見方は変わりそうですね。パートナーの目の前で異性相手にキスまでするとアレレと思うのがおそらく普通でしょうけど、ハグやダンスだと異性同士でも飲み会の席ではままありますし、ほっぺたにキスも座興のうちだったり。私も自分への身体接触の度合いの許容は男女ともに広くなりがちです。嫌だったら上司でもひっぱたきますけど。