とりあえず資料 小学校2年生で「かけ算の順序」を徹底することは有効か??

国立教育政策研究所のHP
http://www.nier.go.jp/

全国的に実施された学力調査の結果から、小学校高学年(6年生中心)の算数の問題とその正答率、誤答の種類などを調べているところです。
掛け算、割り算を使って解く文章問題を、正答率、誤答の種類やそれぞれの誤答の出現頻度などを見ています。

「掛け算の導入」時に、順序を重視して教えているのが現在の教え方の主流だと考えられるので、その成果がどうなっているのかを調べてみようと思ったからです。
 とりあえず、資料として集めておきます。


平成17年実施「特定の課題に関する調査」
http://www.nier.go.jp/kaihatsu/tokuteikadai.html
より「算数・数学」
「特定の課題に関する調査(算数・数学)結果のポイント」
http://www.nier.go.jp/kaihatsu/tokutei/04002030200007001.pdf
 ここには、500円玉貯金をしていた二人の子どもの現在の貯金額を、「貯金箱を壊さないで計算して出す」ために、複数の情報から必要な情報を選択して立式する、という課題が提示されています。
 ・毎月500円ずつ貯金をしていたケースについては、必要な情報(貯金した月数)を選択できた子ども(正答率)は84.4%、立式の正答率は81.1%
 ・すきなときに500円玉を貯金箱に入れていたケースについては、必要な情報は複数選択あるのですが、全部選択できた(今の貯金箱の重さ、はじめの貯金箱の重さ、500円玉の重さ)子どもが61.1%、立式は50.6%
 後者の問題での立式は、
(はじめの貯金箱の重さ)−(現在の貯金箱の重さ)=(中の500円玉全部の重さ)
(500円玉全部の重さ)÷(500円玉1枚の重さ)=(中の500円玉の数)
 500円×枚数=現在の貯金
 という流れになりますが、この最終段階の式、
 500円×枚数は枚数×500円であっても正答です。で、これが導き出せていない子がけっこういるんですね。

 
「平成19年全国学力・学習状況調査の解説資料 小学校算数」
http://www.nier.go.jp/tyousakekka/gaiyou_shou/19shou_houkoku4_2.pdf
小数の乗法 210×0.6 になる問題文を考える問題
正答率54.3%



「平成20年度全国学力・学習状況調査の解説資料 小学校算数」
http://www.nier.go.jp/08tyousa/08kaisetu_02.pdf
P190
3m 6m 12mの3本のテープを比較して、何が何の何倍かを割り算を使って求める問題。

正答率:12mのテープが3mの何倍か、という問題では83.1%が正当
6mのテープが12mのテープの何倍かを求める問題では正答率55.7% 割合(倍)を1よりも小さい数でとらえられてい無いと考えられる。 



P141「平成21年度全国学力・学習状況調査 解説資料 小学校国語」
http://www.nier.go.jp/08chousakekkahoukoku/08shou_data/houkokusho/05_shou_bunseki_sansuu.pdf
子どもの人数のうち女子の人数を百分率で表す問題
正答率 57.1%
比較量と基準量をとらえ、割合を(比較量)÷(基準量)で求められること

平成22年度 全国学力・学習状況調査
4.教科に関する調査の各問題の分析結果と課題 (平成22年8月26日 授業アイディア例追加)
http://www.nier.go.jp/10chousakekkahoukoku/02shou/shou_4s.pdf
P148から
(1)8mの重さが4kgの棒の1mあたりの重さを割り算で計算する。正答率54.1%
(2)2ℓのジュースを3等分すると一つ分のジュースの量は何ℓか、分数で答える。正答率40.6%



私の意見についてはまた後日。